ショーウィンドウのガラスなどに、デザインの印刷されたフィルムが貼ってあるのを見かけることがあります。このフィルムに使われている製品のひとつが、自己粘着テープ（自己吸着性のある粘着フィルム）です。

ここでは、自己粘着テープ（自己粘着フィルム）の特徴や活用シーン、自己融着フィルムなどの似たような製品との違いについてお伝えします。

自己粘着テープとは

自己粘着テープとは、自己吸着性のある粘着フィルムをテープ状に加工したものです。

ここでいう、自己吸着性のある粘着フィルムとは、特殊な粘着剤を使用することでフィルム自体に吸着性（自己吸着性）を持たせたもので、平らで滑らかな面などに繰り返し貼ることができ、剥がす際には接着面に糊残りの心配がないという特徴があります。きれいに剥がれますから、ガラスや液晶画面などへの使用や何度も貼ったり剥がしたりするシーンなどで活用されることが多いです。

製品によってはエア抜け性に優れたものも開発されており、ガラスなどに貼った際に空気が入り込まず、きれいに貼り付けできる自己粘着フィルムもあります。

自己粘着テープ（自己粘着フィルム）の用途

自己粘着フィルムの表面基材には透明なフィルムを採用することが多く、インクジェットプリンタなどで基材に印刷することも可能なため、装飾用フィルムとして活用されることが多いです。このほかにも、液晶画面やタッチパネルといった光学製品の表面保護にも、自己粘着フィルムが活用されます。代表的な用途をいくつか紹介しましょう。

窓ガラスの装飾

お店のショーウィンドウに飾られるフィルム状のPOPやラベル、車の窓に貼られる装飾用カーフィルムなど、窓ガラスの装飾には自己粘着フィルムが多用されています。きれいに剥がせるので、退去時に原状回復が必要なテナント店でも安心して活用できます。

液晶ディスプレイなどの保護フィルム

タッチパネルや液晶ディスプレイなどの光学パネルの画面保護フィルムにも、自己粘着フィルムが使われています。画面が汚れないように保つ役割があるほか、貼り替えも容易にできますし、糊残りがしないため誤作動が起きにくいといったメリットもあります。

耐熱保護フィルム

自己吸着フィルムのなかには、耐熱性に優れた製品もあります。こうしたフィルムであれば、製品を成形するときや曲げ加工時などに使用する耐熱保護フィルムとしても活用できます。

自己粘着フィルムと自己融着フィルムの違い

自己粘着フィルムと似たような製品に、「自己融着フィルム」というものがあります。 自己融着フィルム（テープ）は、フィルムの表と裏が密着して一体化する構造のテープで、パイプ状の被着体などに巻き付けて密着させる際に使われます。通常のビニールテープなどを被着体に巻き付けると、テープが重なる部分に少しだけ空間が生じてしまいますが、自己融着テープなら時間が経つと粘着層が少しずつ空間を埋め尽くす性質をもっているため空間が埋まり、一度融着すると剥がすのが困難です。また、自己融着フィルムは防水性にも優れており、電線や地下テーブルの接続、遮音シール、耐候性シーリングなどで活用されます。

日榮新化で取り扱う自己粘着フィルム（自己吸着性のあるフィルム）のご紹介

日榮新化でも、自己粘着フィルム（＝自己吸着性のあるフィルム）を扱っています。 代表的な製品を紹介しましょう。

ランタックシリーズ

ランタックシリーズは、透明ポリエステルフィルムにアクリル系の自己吸着剤を塗布したIJメディアです。基材に特殊コーティングを施してインクの定着や巻き取り適性をよくした「ランタックS」や、UV印刷にも使用できる「ランタックUV」などの種類があります。いずれも、貼るときや剥がすときの作業性に優れており、屋内のウインドウPOPラベルに適した製品です。

SI-G500（開発製品）

シリコーン素材のもつ自己吸着力により、さまざまな被着体に対して吸着性能を発揮する透明シリコーンシートです。非常に高透明で、印刷物の上から貼っても意匠性を損なうことなく使用できます。繰り返し使用に強く、当社の実証実験ではガラス、SUS (BA)、PCなどの素材に貼り・剥がしを10回繰り返しても粘着性は変わりませんでした。また、表面が滑りにくく、防滑性や衝撃吸収性にも優れた自己吸着フィルムです。
【関連製品】
SI-G500

ASPET50-UT480シリーズ

ポリエステルフィルムをベースに、高い透明性を持つ保護フィルムです。表面フィルムには、ホコリの巻き込みを防ぐ静電気防止処理を施した帯電防止性能も持ち合わせています。特殊ウレタン系粘着剤によりエア抜け性や貼り作業性に優れ、液晶ディスプレイやタッチパネルをはじめ各種保護フィルムとしても最適です。
【関連製品】
ASPET50-UT480-F50(T)

自己粘着テープの問い合わせなら

上記で紹介した製品のほかにも、日榮新化では必要な機能をカスタマイズしてオリジナルの自己吸着性のあるフィルムを開発することも可能です。ハードコートのタイプや基材フィルムの厚み、粘着剤の種類などの組み合わせも、お客様のご要望に応じてカスタマイズ生産いたしますので、お気軽にお問い合わせください。