ラミネートフィルムの種類と選び方

印刷物をはじめ、屋外広告や床面などの保存性・耐久性を高める「ラミネートフィルム」。市場には、一般向けから工業用まで目的や用途に応じてさまざまな商品が展開されており、自社が製作したいものに適切なフィルムを選ぶことが大切です。
今回は、ラミネートフィルムの基本構成や種類、選び方のポイントなどを中心にお伝えします。
また、光沢があるラミネートフィルムを印刷物に貼り付けることで、写真やイラストなどがくっきり色鮮やかに表現できるようになるほか、高級感を与える効果もあります。
屋外に設置する看板などに使用されるラミネートフィルムの場合、看板の表示面を紫外線から守るUVカット機能なども備わっています。看板に使われるインク自体にも耐候性に優れた商品が使われていますが、それだけでは変色や退色、劣化などは避けられません。
ラミネートフィルムで看板の表面を加工することによって、変退色の要因となる紫外線や湿度、酸素(オゾン)などを遮断でき、美しい状態を長く保てるようになります。
ラミネートフィルムの厚さは、基材フィルムと接着層によって決まります。一般的に、ポスターなどに使用されるものは薄手フィルムで、基材フィルムが10μm(マイクロメートル)前後、接着層が20μm前後のものが多くみられます。飲食店のメニューなどに使用されるものは基材フィルム・接着層ともに50μm前後(トータルの厚さは100μm前後)の中手フィルムを、また下敷きなどの場合はともに75μm前後(トータルの厚さは150μm前後)の厚手フィルムを使用することが多いです。
※1μm=0.001mmです。
ツヤの違いでいうと、ツヤありを「グロスタイプ」、ツヤなしを「マットタイプ」という二種類にわけられます。グロスタイプは、表面に光沢感があり光を反射させるのが特徴です。写真やイラストを色鮮やかに魅せられる効果もあり、印刷物や広告物をはじめさまざまな場面で活用されます。これに対してマットタイプは、光の反射を抑えて落ち着いた雰囲気の高級感を演出できることが特徴です。レストランのメニューのように、室内の光が反射して見づらいというものにはマットタイプがおすすめでしょう。
また、機能性でわけると、ラミネートフィルムの耐候性のグレードで複数の種類を展開するメーカーもあります。たとえば、屋内での使用を前提としたグレードの商品もあれば屋外で中長期的に使っても印刷物の状態を保てるグレードの商品もあるという感じです。ただ、このグレードはメーカーごとに決めており業界内で確立された基準ではありませんので、目安として考える程度でよいでしょう。
その他、UVカット機能を付与したタイプや、フィルム表面の硬度をUPして傷防止効果が高いタイプ、また手で触ることが多いところには、防指紋効果を上げたコートを施したタイプなど、用途により様々なラミネートがあります。
たとえば、ポスターなどに使用されるものなら厚さ10μm(0.01mm)前後の薄手フィルムが適していますし、強度が求められるものに使用するなら300μm(0.3mm)を超える厚手フィルムを選ぶなど、適切な厚さのフィルムを選びましょう。
特に屋外で使用する場合は、UVカット機能の付いたラミネートフィルムを選ぶのが一般的です。ただ、屋内であっても蛍光灯から紫外線が出ていますから、UVカット機能のフィルムを使う場合もあります。
また、建物内の床面にラミネートフィルムを圧着する場合には、フロア専用につくられた商品を選びましょう。通常のラミネートフィルムを床面に施すと、滑って転倒するリスクが高まります。エンボス加工を施したマットタイプなど、滑りにくいフィルムを選ぶことがポイントです。この商品だと光の乱反射を抑えられますし、摩擦や引っ掻きを保護する効果も高まります。
たとえば、加工時にホコリなどの入り込みを抑えられる静電フィルムを使えば、取り扱いも簡単で高品質なラミネート加工品が期待できます。また、圧着機(ラミネーター)を使わずとも貼り付けるだけで加工できる特殊なフィルムなども登場しています。
また、当社では環境対策の観点からPETボトルのリサイクル原料を利用したラミネートフィルムを開発しています。バイオマスマークを取得している粘着剤も使用しており、環境負荷軽減に大きく寄与しています。燃焼時CO2を通常より削減できる粘着製品ラミネートの取り扱いもございます。
SDGsなどで環境対策に取り組んでいる企業様は、こうした観点から商品をお選びいただくことで、対外的なアピールが可能です。
これは、素材が異なると収縮率も異なるため安定した品質を保ちにくいという傾向があるためです。なお、使用環境によっても品質に影響を与えますから、必ずしもそろえなければならないわけではありません。
厚さ16μm(0.016mm)の極薄タイプで、透明ツヤPETフィルムを基材としたラミネートフィルムです。
・GLシリーズ
透明PET基材に透明アクリル粘着剤を塗布し、極薄に仕上げたシリーズ。厚さ5μm(0.005mm)から用意しています。
・パールラミネート
光の干渉効果により色彩が変化する特殊パール調半透明ラミネート。ゴールド、レッド、ブルー、ターコイズ(緑)などのカラーがあります。
・PROCEED-W50AF
防曇性(曇り防止性)に優れた超親水タイプハードコートPETフィルムに、紫外線カット機能と、透明アクリル系強粘着剤をコートした粘着シートです。
・NDMプロテクト
耐擦過性に優れ、光拡散性のあるマット調の透明フィルムに、紫外線カット機能の粘着剤を使用したラミネートフィルムです。
・ウルトラ50
耐候性に優れ、傷付きにくいハードコートフィルムに、紫外線カット機能の粘着剤を使用したラミネートフィルムです。屋外用に適しています。
・NHCプロテクトシリーズ
高透明で傷が付きにくいハードコートフィルム基材を採用。床面用に適した滑り抵抗係数(C.S.R値)を持つフィルムです。
透明ツヤのPPフィルムを基材としたラミネートフィルム。厚さが20μm(0.02mm)、40μm(0.04mm)、60μm(0.06mm)などのタイプがあります。
・ハイパーPP-20-L-F
厚さ20μmの高透明ツヤPPフィルムを基材としたラミネートフィルム。剥離フィルム仕様です。
・PPマット30-L-KG2
厚さ30μm(0.03mm)の表面マット加工のツヤ消しPPフィルムを基材とした、ラミネートフィルムです。
厚さ50μm(0.05mm)。透明で屋外耐候性に優れた塩ビフィルムを基材とするラミネートフィルムです。
・リアルマット190
190μm(0.19mm)の厚さを誇り、耐擦過性に優れたマット調の透明塩ビ基材ラミネートフィルムです。
高透明で光沢のあるポリオレフィン系フィルムで、紫外線カット機能を有するラミネートフィルムです。
表面の汚れが拭き取りやすく、耐候性に優れた光沢透明フッ素系フィルム基材を採用。紫外線カット機能も有します。
日榮新化は、粘着フィルムやコーティングに関する新技術開発や需要開拓を1957年の創業時から続けてきた歴史のある会社です。ラミネートフィルムに関しても、半世紀以上にわたる歴史のなかで培った技術で、お客様の目的や用途に応じた機能的な製品を展開してまいりました。
ラミネートフィルムに関するご相談は、日榮新化までお気軽にお問い合わせください。お客様のニーズにきめ細かく対応いたします。
今回は、ラミネートフィルムの基本構成や種類、選び方のポイントなどを中心にお伝えします。
ラミネートフィルムとは?
ラミネートフィルムとは、ポリエステルやポリプロピレンなどから構成される透明性の高い粘着フィルムのことで、紙などの素材に貼り付けて耐久性や防水性を付加するものです。これにより、印刷物を保護し汚れや劣化を抑える効果が高まります。また、光沢があるラミネートフィルムを印刷物に貼り付けることで、写真やイラストなどがくっきり色鮮やかに表現できるようになるほか、高級感を与える効果もあります。
屋外に設置する看板などに使用されるラミネートフィルムの場合、看板の表示面を紫外線から守るUVカット機能なども備わっています。看板に使われるインク自体にも耐候性に優れた商品が使われていますが、それだけでは変色や退色、劣化などは避けられません。
ラミネートフィルムで看板の表面を加工することによって、変退色の要因となる紫外線や湿度、酸素(オゾン)などを遮断でき、美しい状態を長く保てるようになります。
ラミネートフィルムの基本構成
一般的なラミネートフィルムは、「基材フィルム」と「粘接着層」の大きく2層で構成されています。商品によっては、機能性を高めるために中間基材を挟んだ3層または4層以上で構成されるものもあります。ラミネート加工の一例としては、溶融させて糊状にし、そこに圧力をかけることで素材に貼り合わせるタイプと、粘着により簡易に貼合できるタイプ等があります。ラミネートフィルムの厚さは、基材フィルムと接着層によって決まります。一般的に、ポスターなどに使用されるものは薄手フィルムで、基材フィルムが10μm(マイクロメートル)前後、接着層が20μm前後のものが多くみられます。飲食店のメニューなどに使用されるものは基材フィルム・接着層ともに50μm前後(トータルの厚さは100μm前後)の中手フィルムを、また下敷きなどの場合はともに75μm前後(トータルの厚さは150μm前後)の厚手フィルムを使用することが多いです。
※1μm=0.001mmです。
ラミネートフィルムの種類
厚さの違いだけでなく、ラミネートフィルムには「ツヤあり・ツヤなし」といった仕上がり(加工法)の違いや、機能性の違いによるグレードなど、多種多様な種類があります。ツヤの違いでいうと、ツヤありを「グロスタイプ」、ツヤなしを「マットタイプ」という二種類にわけられます。グロスタイプは、表面に光沢感があり光を反射させるのが特徴です。写真やイラストを色鮮やかに魅せられる効果もあり、印刷物や広告物をはじめさまざまな場面で活用されます。これに対してマットタイプは、光の反射を抑えて落ち着いた雰囲気の高級感を演出できることが特徴です。レストランのメニューのように、室内の光が反射して見づらいというものにはマットタイプがおすすめでしょう。
また、機能性でわけると、ラミネートフィルムの耐候性のグレードで複数の種類を展開するメーカーもあります。たとえば、屋内での使用を前提としたグレードの商品もあれば屋外で中長期的に使っても印刷物の状態を保てるグレードの商品もあるという感じです。ただ、このグレードはメーカーごとに決めており業界内で確立された基準ではありませんので、目安として考える程度でよいでしょう。
その他、UVカット機能を付与したタイプや、フィルム表面の硬度をUPして傷防止効果が高いタイプ、また手で触ることが多いところには、防指紋効果を上げたコートを施したタイプなど、用途により様々なラミネートがあります。
ラミネートフィルムの選び方
ラミネートフィルムを選ぶ際には、素材や仕上がり具合、使用環境など、いくつかのポイントがあります。つくりたいものに適した商品を見つけるうえで、ラミネートフィルムの選び方について紹介します。1.厚さで選ぶ
先述の通り、ラミネートフィルムは厚さの違う商品が多数登場しており、つくりたいものや耐久性などの観点からフィルムを選定する必要があります。たとえば、ポスターなどに使用されるものなら厚さ10μm(0.01mm)前後の薄手フィルムが適していますし、強度が求められるものに使用するなら300μm(0.3mm)を超える厚手フィルムを選ぶなど、適切な厚さのフィルムを選びましょう。
2.仕上がり感から選ぶ
ラミネート加工するものの仕上がりが、ツヤありであればグロスタイプ、ツヤなしであればマットタイプを選びます。一般的には、ツヤありのグロスタイプで問題ありませんが、光が乱反射するような屋内で使うときや、高級感を演出したいときにはツヤなしのマットタイプが選ばれる傾向にあります。3.使用環境から選ぶ
ラミネートフィルムで圧着したものを、どこで使用するかも選び方のポイントのひとつです。特に屋外で使用する場合は、UVカット機能の付いたラミネートフィルムを選ぶのが一般的です。ただ、屋内であっても蛍光灯から紫外線が出ていますから、UVカット機能のフィルムを使う場合もあります。
また、建物内の床面にラミネートフィルムを圧着する場合には、フロア専用につくられた商品を選びましょう。通常のラミネートフィルムを床面に施すと、滑って転倒するリスクが高まります。エンボス加工を施したマットタイプなど、滑りにくいフィルムを選ぶことがポイントです。この商品だと光の乱反射を抑えられますし、摩擦や引っ掻きを保護する効果も高まります。
4.機能面から選ぶ
UVカット機能のほかにも、ラミネートフィルムにはさまざまな機能を付加した商品が登場しています。たとえば、加工時にホコリなどの入り込みを抑えられる静電フィルムを使えば、取り扱いも簡単で高品質なラミネート加工品が期待できます。また、圧着機(ラミネーター)を使わずとも貼り付けるだけで加工できる特殊なフィルムなども登場しています。
また、当社では環境対策の観点からPETボトルのリサイクル原料を利用したラミネートフィルムを開発しています。バイオマスマークを取得している粘着剤も使用しており、環境負荷軽減に大きく寄与しています。燃焼時CO2を通常より削減できる粘着製品ラミネートの取り扱いもございます。
SDGsなどで環境対策に取り組んでいる企業様は、こうした観点から商品をお選びいただくことで、対外的なアピールが可能です。
5.インクジェットメディアの材質から選ぶ
ラミネート加工業界では、インクジェットメディアと同じ材質のラミネートフィルムでそろえるのが通例です。インクジェットメディアが塩ビ基材を使っているなら、ラミネートフィルムも塩ビ基材を使うことになります。これは、素材が異なると収縮率も異なるため安定した品質を保ちにくいという傾向があるためです。なお、使用環境によっても品質に影響を与えますから、必ずしもそろえなければならないわけではありません。
ラミネートフィルムの主な製品
日榮新化では、レギュラー品だけで約50種類ものラミネートフィルムを提供しています。そのなかから主な製品を、基材フィルムに使われている素材別に紹介しましょう。PET(ポリエチレンテレフタレート)のラミネートフィルム
・PET16-L-KG2厚さ16μm(0.016mm)の極薄タイプで、透明ツヤPETフィルムを基材としたラミネートフィルムです。
・GLシリーズ
透明PET基材に透明アクリル粘着剤を塗布し、極薄に仕上げたシリーズ。厚さ5μm(0.005mm)から用意しています。
・パールラミネート
光の干渉効果により色彩が変化する特殊パール調半透明ラミネート。ゴールド、レッド、ブルー、ターコイズ(緑)などのカラーがあります。
・PROCEED-W50AF
防曇性(曇り防止性)に優れた超親水タイプハードコートPETフィルムに、紫外線カット機能と、透明アクリル系強粘着剤をコートした粘着シートです。
・NDMプロテクト
耐擦過性に優れ、光拡散性のあるマット調の透明フィルムに、紫外線カット機能の粘着剤を使用したラミネートフィルムです。
・ウルトラ50
耐候性に優れ、傷付きにくいハードコートフィルムに、紫外線カット機能の粘着剤を使用したラミネートフィルムです。屋外用に適しています。
・NHCプロテクトシリーズ
高透明で傷が付きにくいハードコートフィルム基材を採用。床面用に適した滑り抵抗係数(C.S.R値)を持つフィルムです。
PP(ポリプロピレン)のラミネートフィルム
・PP-L-KG2シリーズ透明ツヤのPPフィルムを基材としたラミネートフィルム。厚さが20μm(0.02mm)、40μm(0.04mm)、60μm(0.06mm)などのタイプがあります。
・ハイパーPP-20-L-F
厚さ20μmの高透明ツヤPPフィルムを基材としたラミネートフィルム。剥離フィルム仕様です。
・PPマット30-L-KG2
厚さ30μm(0.03mm)の表面マット加工のツヤ消しPPフィルムを基材とした、ラミネートフィルムです。
塩ビ(ポリ塩化ビニル)のラミネートフィルム
・耐候透明塩ビ50-L-KG2厚さ50μm(0.05mm)。透明で屋外耐候性に優れた塩ビフィルムを基材とするラミネートフィルムです。
・リアルマット190
190μm(0.19mm)の厚さを誇り、耐擦過性に優れたマット調の透明塩ビ基材ラミネートフィルムです。
PO(ポリオレフィン)のラミネートフィルム
・ピュアグロス(1350)高透明で光沢のあるポリオレフィン系フィルムで、紫外線カット機能を有するラミネートフィルムです。
フッ素系樹脂のラミネートフィルム
・NDXプロテクトシリーズ表面の汚れが拭き取りやすく、耐候性に優れた光沢透明フッ素系フィルム基材を採用。紫外線カット機能も有します。
ラミネートフィルムのお問い合わせやラミネート加工のご相談なら
このほかにも日榮新化では、紫外線カット・耐擦傷性・超親水などさまざまな機能を付加したラミネートフィルムを開発・提供しています。日榮新化は、粘着フィルムやコーティングに関する新技術開発や需要開拓を1957年の創業時から続けてきた歴史のある会社です。ラミネートフィルムに関しても、半世紀以上にわたる歴史のなかで培った技術で、お客様の目的や用途に応じた機能的な製品を展開してまいりました。
ラミネートフィルムに関するご相談は、日榮新化までお気軽にお問い合わせください。お客様のニーズにきめ細かく対応いたします。