粘着とは?粘着製品に使われる用語についても解説
粘着剤といえば、モノとモノをくっつけるときに使用される材料です。これと似たような商品に接着剤があり、接着剤もモノとモノをつけるときに使用されます。
ところで、「粘着」と「接着」は何が違うのか、説明できますか?
今回は、粘着と接着の違いや、粘着製品によく使われる用語について解説していきます。
粘着とは?
粘着とは、粘り気のある物質が他の物質(被着体)と接触してくっつくことをいいます。このように難しい説明をしなくても、「粘着がどんな状態か」は誰もがイメージできると思います。
では、粘着と接着とは何が違うのかというと、大まかには同じ言葉です。粘着は接着の一種であり、平たくいえば「接着のなかに粘着がある」と考えられます。
粘着剤と接着剤の違い
粘着剤は、短時間で、わずかな圧力を加えるだけで接着し、剥がすことも可能な材料です。これに対して接着剤は、時間をかけて接着させ、剥がすことができないのが一般的です。
粘着剤と接着剤の違いは、「物性の変化の違い」ともいえます。粘着剤は、貼る前も貼り付けた後も粘り気のある粘弾性体のままで物性は変化しません。粘着面は常に濡れた状態で、安定性を保っています。この特徴が、くっついたり剥がしたりできることを可能にします。
一方の接着剤は、貼る前は液体ですが貼り付けた後は固体に変化します。接着するには、液体が硬化するまでの時間が必要で、硬化したら剥がれない接着性の高さが特徴といえます。
粘着製品に使われる用語について
粘着テープやシールなどの粘着製品には、機能性の違う商品が多数存在します。例えば、剥がすときに容易に剥がれる商品もあれば、なかなか剥がれない商品もあります。
こうした粘着製品の機能の違いを示すうえで、いくつかの指標が設けられています。
ここで、粘着製品の機能を示す用語について解説しますので、以下の用語をおさえて製品選びや開発を進めていただければと思います。
①総厚
基材と粘着剤を合わせた、製品全体の厚さのことです。単位は「mm」や「μ」で表します。
②粘着力
粘着製品の粘着面と被着体との接触面に生まれる力のこと。簡単にいうと、「貼ったものを剥がすときに必要な力」ということです。
粘着力の測定方法は、まず、粘着製品を試験板(ステンレス鋼板など)に貼り付け、一定時間を置きます。その後、180度方向または90度方向に引っ張り、剥がれるときの力を測定します。
粘着力を示す単位は、「N/mm」です。Nとは「ニュートン」の略です。一例として、「12N/20mm」という粘着製品の場合、「20mm幅の粘着製品を折り返して(180度方向に引っ張って)剥がすときに、約1.2kgの重量が必要」という意味です。Nの数値が大きいほど、粘着力が強いことを示します。
なお、当社の製品紹介では、主に180度方向に引っ張った測定値を掲載しています。
③引張強さ
粘着製品を引っ張って、製品が切れるのに必要な力のことです。粘着製品の両端から引っ張って切断したときの荷重を測ります。
引張強さの単位は、「N/mm」で示します。この値が大きいほど、テープが強靱で重量に強いことを意味します。
④伸び
粘着製品が、どれくらい伸びるかを示す数値です。測定方法は引張強さと同じで、粘着製品の両端から引っ張り、切断したときの伸びた長さを測定します。その長さと、もとの長さを比べて「%」で示します。
この数値が小さいほど、伸びにくい製品であることを意味します。逆に数値が高いと、柔軟性があって凹凸面や曲面に追従しやすい製品であるといえます。
⑤剪断接着力
平行方向に引っ張って剥がすときに必要な力のことです。
剪断接着力を測定するには、まず、2枚の試験板に粘着製品を付けて貼り合わせます。その試験板同士を反対方向に平行に引っ張り、粘着部分が破断したときの最大荷重を測定します。
剪断接着力の単位は「N/cm2」です。数値が大きいほど、重いものでも固定できることを示します。
⑥保持力
粘着剤の垂直方向のずれに耐える力(抵抗力)を測定したものです。
単位は「mm」で示し、ズレの数値が低いほど粘着前の凝集力が優れていることを意味します。
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日榮新化は、1957年の創業から半世紀以上にわたり粘着テープ(粘着フィルム)の新技術開発や需要開拓を続けてまいりました。
遮熱・紫外線カット・耐擦傷性・超親水など、目的や用途に応じて機能を付与した製品も展開しており、現在では約14,000種の自社製品を保持しています。 長年の開発で培ったノウハウ、高度なカスタマイズ技術、小ロットにも対応できる生産体制によって、オリジナル粘着テープの開発もご相談に応じられます。
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