両面テープはシリコーン素材に貼れない!?
両面テープは、さまざまな物質を接着させる便利な材料ですが、一部の物質では貼り付かないものもあります。そのひとつが、シリコーンでつくられた製品です。
しかし、シリコーンにも貼り付く両面テープは日榮新化の製品にもあります。
シリコーンに使える両面テープと使えない両面テープは、何が違うのでしょうか。まずは、シリコーン素材の特徴からみていきましょう。
シリコーン素材の特徴
シリコーンとは、ケイ素と酸素から構成される「ケイ石」という物質に有機化合物を化学反応させて作り出される樹脂のことです。(SiO2)
化学反応の際に分子の結合方法を変えることによって、シリコーンゴムのようにゴム状の製品になったり、ワックスなどに使われる液体状のものになったりと形状を変えられます。このため、建築材料や工業製品からお弁当の蓋までさまざまな形で商品化される、汎用性の高い素材といえます。
また、シリコーンは機能性の高さも特徴のひとつです。一例として、耐熱性や耐候性、電気絶縁性の高さなどが挙げられます。
さらに「水をはじく」という特性もあることから、高い防水性が求められる場所にもシリコーンは重宝されています。
シリコーンに両面テープが付かない理由
上記の特徴で紹介した「シリコーンは水をはじく」という点が、両面テープが付かない理由です。
両面テープなどに使われる粘着剤は、「濡れた状態」を安定して保つことで被着体に貼り付きます。接着剤の場合でも、液状の接着剤が被着体にも塗工できて、そのまま硬化するから「くっつく」状態を維持できるわけです。
しかし、シリコーン素材は水をはじきます。つまり、被着体が濡れにくいため粘着剤の「濡れた状態」が安定せず、市販の両面テープでは貼り付きにくいのです。
シリコーンだけでなく、水や油をはじいたりよく滑ったりする素材には、市販の一般的なテープは使えない事が多いです。例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、フッ素樹脂なども、シリコーンと同じく難接着の素材です。
シリコーンと相性のよい両面テープとは
シリコーンは難接着の素材ですが、市場にはシリコーンにも使える両面テープや粘着剤・接着剤もあります。これを使えば、シリコーンにしっかり貼り付けることが可能です。
では、シリコーンに貼り付かない一般的な両面テープとは、何が違うのでしょうか。それは、両面テープに使用される粘着剤の違いにあります。
粘着剤には、「アクリル系粘着剤」「シリコーン系粘着剤」「ウレタン系粘着剤」「ゴム系粘着剤」の大きく4種類にわけられます。このなかで、もっとも一般的なのがアクリル系粘着剤で、市販の両面テープにも多く使用されています。ただし、アクリル系粘着剤はシリコーンには適しません。
シリコーンは、「シリコーン系粘着剤」と相性がよいのです。シリコーン系粘着剤は、シロキサン結合を主骨格にもつポリマーからなる粘着剤で、シリコーンゴムにも粘着します。使用可能温度の範囲が広く、耐薬品性や耐水性に優れている点も特徴です。
なお、市場で提供されているシリコーン用の両面テープの多くは、一方にはシリコーン系粘着剤、もう一方にはアクリル系など他の粘着剤が使われています。このため、裏表を間違うとシリコーン素材に貼り付きませんから、使用時に注意する必要があります。
日榮新化のシリコーンゴム接着固定用両面テープ「JDM」
日榮新化でも、シリコーン系粘着剤を使った両面テープを提供しています。そのひとつが、「JDM115SA」です。
JDM115SAは、透明PET芯材に表裏で異なる粘着剤を塗布した両面粘着シートです。片側にはシリコーン系粘着剤を使用しており、シリコーン材料に対して優れた粘着力を発揮します。もう一方には、透明性や耐熱性、耐候性に優れた広い用途で使われるアクリル系粘着剤を塗布しています。
JDM115SAの総厚は115μm。強粘着で、精密抜き加工や貼り合わせ加工など、各種加工性にも良好な両面テープです。
▼JDM115SAの商品詳細はこちら
https://www.neion.co.jp/product/material_tape/JDM/item_20949
粘着加工のお問い合わせなら日榮新化へ
日榮新化は、1957年の創業から半世紀以上にわたり粘着テープや粘着フィルムの新技術開発も手掛けてまいりました。
シリコーン系粘着剤を使った両面テープのほかにも、遮熱・紫外線カット・耐擦傷性・超親水など、目的や用途に応じて機能を付与した製品を展開しており、現在では約14,000種の自社製品を保持しています。
長年の開発で培ったノウハウ、高度なカスタマイズ技術、小ロットにも対応できる生産体制によって、オリジナル粘着テープの開発もご相談に応じられます。
お客様のニーズにきめ細かく対応いたしますので、両面テープや粘着製品のご相談は、ぜひ日榮新化までお問い合わせください。
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